Air navi AVIC-T99の感想
3週間ほど使ってみた感想を述べます。
まず、ポータブルナビとしては想像以上に良くできていて、この価格で3年間無料の地図更新が付いてくることを考えると、満足度は高いです。もしかしたら、ほとんどの場合はこれで十分ではないかとさえ思います。
ナビとしての基本機能は、さすがに老舗メーカーならではの完成度を感じる面も多々ありますが、仕様上の疑問を感じるところもありましたので、あえて不満点も遠慮せずに書くことにします。
■デザイン
最近流行のピアノブラック系です。そこそこ高級感があり良いとは思います。周囲のメッキは無くても良いかなと思いましたが、実は、CDプレーヤーの方も似たようなデザインで、統一性があるようです。ディスプレイは7インチで、取り付けの場所さえ許せば、やはり大きい方が見やすいと思います。
液晶は良い出来です。バックライトの黒浮きも抑えられており、ナビ画面、AV画面ともに、綺麗な画像を映してくれ、不満はありません。
レイアウト上の問題点は、頻繁に使うハードボタン類が左側にあること。普通に本体を車両中央付近に設置するとボタン類が運転席から遠くなります。恐らく輸出用向け部品の流用だと思いますが、ここはケチらないでいただきたかった。最近は他社含めほとんどのカーオーディオもこうなっていますけどね。一部の良心的な機種もあるのですが。
■操作性・レスポンス
一度起動しておけば、イグニッションONでの復帰は速いです。数秒で使えるようになります。これはポータブルタイプの利点かも。また、検索や地図データの読み込みはさすがに高速です。以前のDVDタイプとは大きな差です。
ハードボタンの反応は一瞬遅れることがあります。慣れればこんなものと思って操作できますが、きちんと押されたかどうかのフィードバック感に乏しいです。また、操作によっては長押しが必要ですが、これは運転中は難しいと思います。ワイプ操作の0.5秒でも長く感じます。
タッチパネルの操作感は普通ですが、地図のスクロールは若干もたつきますね。データ量に対して処理が少し追いついていない感じ。まあ、我慢できないレベルではないです。
■ナビ性能
ルート探索は、非常に的確と思いました。少なくとも、私の生活圏では、地元の人間が通常通るだろうルートを第一候補に出してきます。「推奨」ルートの場合、高速が使えれば、高速を案内しますし、できるだけ早く着くルートを探すようで、割と狭い道も遠慮無く案内してきます。混みやすい道路は避けている様子がうかがえます。このへんは賢いです。
狭い道が嫌ならば、「幹線優先」を選んでおけば良いと思います。
また、リルートも素早く的確。これが一番感心しました。むやみにUターンさせようとせずに、その地点から最適なルートを瞬時に探してくれます。これも賢いです。
案内のタイミングも問題ありません。女性の声が少し事務的ですけど。
残念な点は、走行レーン案内が不足していること。このナビは直進の場合は何も案内しないという基本方針のようですが、リアルワールドでは、左車線がいきなり左折専用レーンになってしまったり、中央寄り車線がいきなり右折専用になったりすることがあるじゃないですか。だから、直進と言えども、どの車線を走行すべきかというのは、慣れない道路を走行する場合に、かなり重要な情報だと思うのですがねえ。これは大きな減点ポイントです。他社ナビのほとんどに実装されていると思うのですが、なぜナビの老舗がこれを省略するのか。ちょっと理解に苦しみます。
■地図の見やすさ
通常は100m表示がバランスが良いようです。それよりも詳細表示はとても美しくリアルなマップになります。流石のVGA高解像度で地図好きにはたまらないものです。しかし、逆に瞬間的な道路の把握という目で見ると、必ずしも向いていないように感じました。道幅とか詳細情報を調べるのには最高ですが。
それから、フォントのデザインが非常に好みです。丸ゴシック系で、見やすく、大きさもメリハリがついていて、地図の中でも埋もれないような工夫がされています。全体に、できるだけシンプルに必要な情報だけ見せようとするさじ加減が絶妙なバランスと思います。信号機は進行方向しか出てこないというのは、ちょっと寂しいですが。
ショップのアイコンなどは、全て表示するとかえってゴチャゴチャして、見づらくなるためか、自分の好みで選択します。ただし、数の制限あり。また、地図の更新時ショップ情報などもしっかりアップデートされるようなので、これは非常にありがたいです。道路以上に変化が激しい領域なので。
あとは、せっかくの高解像度なんで2画面表示もできると良いのでは。他社ではこれも常識かと。
■自車位置の正確さ
GPSを捕獲している限りは完璧です。また、GPSが届かないトンネル内なども、車速パルスを取っているので、道路上ならばマップマッチングのおかげで正確です。更新も5Hzということで、スムーズに動いてくれます。
問題は、GPSが途切れる立体駐車場など。近所の道路にジャンプしたりして割と簡単に方向を見失います。細かいことですが、ここに限ってはパナのSALASに負けています。
■渋滞情報
FM-VICSのみ使用。以前から使用しているフロントガラスのフィルムアンテナの片割れで従来と同レベルの受信感度です。5分おきに更新できるので、意外と便利に使っています。一度だけ、渋滞を回避してリルートしてくれました。今のところ、これで十分と思います。そのうちに、車載のラジオアンテナから分岐してみようかとは思っています。
■AV機能
ワンセグがこんなに良いものとは。携帯なんかで見たことのあるワンセグはこんなに良くありませんでした。
内蔵ロッドアンテナのみですが、受信感度、画質、音質の面で、従来のアナログとは比べものになりません。お約束通り通常は走行中見ることができませんが、音声だけでもかなりの範囲で安定して受信できるので助かります。
画質は電波さえ良ければ、アナログよりも確実に綺麗です。輪郭は甘いもののゴーストや色ずれはありませんし、しっかりワイド表示されるので。もちろん、フルセグとの差は大きいですが、内蔵ロッドアンテナで気軽に見るには十分と感じました。
また、micro SDカードで音楽とムービーが再生できます。流石に音楽は別の手段があるので、個人的には不要ですが、普段使っているAAC256kbpsフォーマットは何の問題も無く再生できました。
ムービーはiPod系のmp4,m4vフォーマットなら大丈夫ですが、横400ドット、縦240ドット、のどちらかが超えると認識できませんので注意が必要です。この場合は再エンコードが必要です。きちんとエンコードすれば、画質面は十分綺麗です。
問題は、早送り、早戻しが遅すぎて使いものにならないこと。チャプターが使えないので、もし頭出しがしたければ、細切れにファイルを分割して入れておく方が便利です。ダイレクトサーチという時刻指定もあるけど、使いにくいです。まあ、映画などの長時間ものを見る事(十分可能ですが)なんて全く想定されてないでしょうから、文句を言う筋合いではないですが、あの早送りの仕様は意味がないんだけどなあ。開発した人、使ったことある?って感じです。代わりに、レジュームは効くようで、カードを入れ替えても、続きから再生できます。
■ウィジェット
今一、狙いが中途半端なウィジェットがいくつかあります。
エコステータス:どういう状態がエコなのか良く分かりませんが、アイドル放置するとメーターがどんどん赤くなるので、これの抑制に効果があるのだと気づきました。
時計:押すと、全画面が時計とカレンダーになりますが、流石にこれは単純すぎて使えないでしょ。もう少し中くらいの大きさにするとか、デザインを選べるようにするとかしないと。
バックカメラ:頻繁に使います。本当はバック信号が入ったら自動で切り替わるのがベストです。こいつの意地悪なところは、車が完全に、1mmも動かない状態にならないと受け付けてくれないところです。普通は、わずかに動いていてもバックギヤには入るのです。そのタイミングで切り替わって欲しい。これも作った人は使ったことが無い人です。
■通信機能
非常に先進的で魅力を感じます。この機種の売りでもあるわけです。が、通信コストの問題で使っていません。旅先限定と割り切れば、良いかも知れません。月500円くらいで使い放題なら契約します。またやってくれないでしょうか。
■まとめ
いろいろ書きましたが、
①コストを最小限で、据え置きナビ相当の機能を実現する。
②オーディオとは独立させる。
③画面はできるだけ大きく。
④地図は3年間無料更新。
⑤できればオンダッシュが見易い。
というわがままな要求を満たす数少ない機種です。
ナビ性能は流石にノウハウが詰まっていると感じられ、完成度は高いですが、余計に、もう少しの改善で完璧に近づくのにと残念な面もありました。ツメが甘いというか、安物だからと見切っているかは分かりません。ただ、コストをかけずに改良できる点も多々あると思いました。
まあ、全てにおいて、完璧なものも無いだろうし、現時点、最良の選択肢であることは間違いないようです。
電源キット込みで5万円以下で買えますから、本当に良い時代になったものです。
ライバルは、ずばり、パナゴリラでしょうが、両方使った訳ではないので、どちらが優れているかは分かりません。ただ、現時点あちらの方が1万円高いです。あまり高くなるのであれば、据え置き型の方がだんだん良くなってきますので、悩ましいところです。



